稲田神社(奥出雲町)概要: 稲田神社は島根県仁多郡奥出雲町稲原に鎮座している神社です。稲田神社の創建年などは不詳ですが境内は稲田姫の生誕地と伝えられる場所で、近くには稲田姫が産湯で使用したと伝わる「産湯の池」や、へその緒を切った竹が生えていた聖地には「笹の宮」が祀られています。
これらの伝説や伝承などから当地が古くから神聖視され祭祀施設として祠のようなものが設けられていた可能性があります。
現在、稲田神社の存在を証明する明確なものとしては江戸時代中期の元禄15年(1702)の軒札がある事から少なくともこれ以前から奉斎されていた事が窺えます。
昭和初期に当地の実力者である小林徳一郎氏が篤く帰依し、昭和13年(1938)に今まであった文政年間(1818〜1831年)に設けられた小規模な祠を立派な社殿に造営し現在見られるような境内に整備し、昭和19年(1934)に郷社に列しています(観光協会では小林氏によって社殿が新築、勧請されたとある為、この時に改めて稲田姫の御霊が勧請されたのかも知れません)。
稲田神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行6間、正面1間軒唐破風向拝付き、外壁は真壁造り板張り。幣殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行6間、正面1間唐破風向拝付き、外壁は真壁造り板張り、三方浜縁、高欄付き。本殿は切妻、鉄板葺き(現在は銅板葺きに改修)、妻入、間口1間、奥行き2間、外壁は真壁造り板張り、四方浜縁、高欄付き、大社造。
稲田神社は神話を背景に建築された近代社殿建築の遺構として貴重な事から奥出雲町指定文化財に指定されています。稲田神社の祭神は素盞鳴尊の后神である稲田姫で、配祀として素盞鳴尊が祭られています。
稲田神社:上空画像
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