山辺神社(江津市)概要: 山辺神社は島根県江津市江津町に鎮座している神社です。山辺神社の創建は白雉3年(652)に石上神宮(奈良県天理市、名神大社)の分霊(布都御魂神)を勧請したのが始まりと伝えられています。
一方、伝承によると第12代景行天皇の御代(西暦71〜130年)に物部竹子連が例祭に奉幣して国家安泰鎮護を祈願したとも伝わり、こちらが正しければ、遥か太古から鎮座していた事になります。貞観11年(869)に播州広之峰より素盞嗚男尊稲田姫之命三女神五男神の分霊を勧請合祀、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載された式内社山邊神社に比定されています。
社殿の背後には「ねがい石」と呼ばれる奇岩があり、伝承によると白竜が石に姿を変えたものとされ、触りながら祈願すると念願成就すると云われています。
当地は江の川舟運の拠点と北前船の寄航地だった事から廻船問屋や海運関係者、漁業関係者など水に関わる人々から篤く信仰され、境内には当地の豪商で廻船問屋として知られる藤田家や横田家が宝暦4年(1754)に鳥居や天保13年(1842)に手水鉢を寄進しています。
古くから神仏習合し別当には東向寺が司り江津祇園宮などと称されてきましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され明治6年(1873)に村社に列しています。
4年毎7月の例祭として行われる江津の祇園祭は神仏習合時代の牛頭天王祭を継承するもので、「ホーランエー」とも呼ばれ石見三大祭の一つに数えられ、神輿渡御の際には江の川を御座船と3隻の伴船、数10隻の供奉船が川面を埋め尽くします。
現在の山辺神社本殿は昭和49年(1974)に第60回伊勢神宮式年遷宮で内宮殿の旧御用材60石が下賜され、造営されたもので三間社入母屋造、銅板葺、平入、正面1間軒唐破風向拝付。山辺神社拝殿は昭和47年(1972)の豪雨により社殿が大破し昭和50年(1975)に鉄筋コンクリート造で再建されています。
祭神:布都御魂、素戔嗚尊、稻田姫命。配祀:正哉吾勝勝速日天忍穗耳命、天之菩卑能命、天津日子根命、活津日子根命、熊野久須毘命、多紀理比賣命、狹依理比賣命、多岐津比賣命。
山辺神社:上空画像
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