神原神社(雲南市)概要: 神原神社は島根県雲南市加茂町神原に鎮座している神社です。神原神社の創建は不詳ですが、天平5年(733)に編纂された出雲国風土記では「神原社」、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳では式内社神原神社と記載されている古社です。
祭神は大國主神、磐筒男命、磐筒女命ですが元々の社地は前期古墳時代に築造された神原神社古墳の上にあり古墳からは三角縁神獣鏡(景初3年:239年、国指定重要文化財)などが発見されていることから、当時の有力豪族の氏神が祭られていたのかも知れません。
伝説によると大國主神が神御財を積み置いた事から神財郷と呼ばれ、それが転じて神原郷と呼ばれるようになったとされ大國主神が様々な神宝を守る為、天照大神が磐筒男命と磐筒女命に命じて守らせたのかも知れません(発見された三角縁神獣鏡が神宝とも)。ただし、当初は赤川の対岸、才明寺の東南に鎮座し、その後に古墳の上部に遷座したともいわれ、こちらが正しければ神原神社と古墳とは関係が薄いと思われます。
その後神原神社は屋裏郷、屋代郷、神原郷三郷の総氏神として信仰され広大な境内で例祭も盛大に行われていたとされます。
中世以降は神仏習合し「神原松井大明神」や「松井神寶大神宮」、「神寶明神」などと呼ばれ神宮寺(真言宗)が祭祀を司っていましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され、旧社号である「神原神社」に復し明治4年(1871)に村社に列し明治44年(1911)に神饌幣巾料供進神社に指定されています。
昭和47年(1972)に赤川の河川工事の際、現在地に遷座しています。
神原神社神門(神社山門)は切妻、銅板葺、三間一戸、八脚単層門。拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺、平入、桁行6間、梁間3間、正面1間向拝付。本殿は大社造、切妻、銅板葺、妻入、間口1間、奥行き2間、外壁は真壁造り板張り、四方浜縁、高欄。
例祭(11月9日)で奉納される「神原神社の獅子舞」は古式を伝える貴重な行事として昭和63年(1988)に島根県指定無形民俗文化財に指定されています。祭神:大国主命、磐筒女命、磐筒男命。
神原神社:上空画像
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