安国寺(松江市)概要: 宝亀山安国寺は島根県松江市竹矢町に境内を構えている臨済宗南禅寺派の寺院です。安国寺の創建は宝亀4年(773)、光仁天皇の勅願により開かれたのが始まりとされ当初は円通寺と称していました。
康永4年(1345)、足利尊氏が全国に安国寺を建立するにあたり、出雲では円通寺が当てられ安国寺に改称、将軍家からは寺領の寄進や御教書を賜り、永徳2年(1382)には諸山(寺格の一つ。五山・十刹の下。)に列しています。
中世寺運は隆盛し最盛期には寺領3千石を有し、境内には七堂伽藍が建ちなんでいたそうですが、度重なる兵火により諸堂は焼失し一時衰退します。
元亀から天正年間(1570〜1592年)立翁広本禅師が中興し、江戸時代には歴代松江藩主が庇護して寺領20石が安堵されました。
出雲国分寺とは同年代に開山し、隣接していることもあり国分寺が衰退すると本尊である十一面観音菩薩像や国分寺印などが安国寺に移されています。
境内には松江藩主京極忠高が父親である京極高次の菩提を弔う為、供養塔である宝篋印塔が越前産の石材と形式に則って建立され、貴重な事から平成16年(2004)に松江市指定文化財に指定されています。
安国寺山門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、四脚門、左右袖壁付。鐘楼は鐘楼門だった建物で、入母屋、桟瓦葺き、一間一戸、四脚楼門、上層部四方高欄付き。安国寺本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。山号:宝亀山。宗派:臨済宗南禅寺派。本尊:十一面観音。
安国寺:上空画像
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