豊栄神社(大田市)概要: 豊栄神社は島根県大田市大森町に鎮座している神社です。 豊栄神社の前身である長安寺は元亀2年(1571)、毛利輝元によって開かれたのが始まりとされます。その際、永禄4年(1561)に毛利元就が自分の木像を山吹城に安置していたものが長安寺に移されました。慶長5年(1600)の関が原の戦いにより毛利氏は大幅に領土を減らされと石見銀山も幕府領となり、長安寺は庇護者を失い衰退します。その際、元就の木像は毛利家の居城となった萩城(山口県萩市)の城下に遷され、当寺には新たに京都の仏師が彫り込んだ元就像を元禄4年(1691)に安置されました。
慶応2年(1866)、第二次長州戦争の際、長安寺の境内が長州藩の本陣となり、荒廃した本堂に安置されていた毛利元就の木像が発見されます。長州藩は藩祖縁の寺院として境内を整備し浄財を募り霊殿の造営や鳥居、石燈籠、狛犬などを寄進しています。
明治時代初頭に発令された神仏分離令と廃仏毀釈運動により仏式が廃され明治3年(1870)に豊栄神社の社号を賜っています。現在の社殿はその当時のもので随神門は切妻、桟瓦葺、三間一戸、八脚門。拝殿は入母屋、桟瓦葺、桁行2間、正面1間唐破風向拝付。本殿(霊殿)は一間社、桟瓦葺、塗屋造り。豊栄神社は石見銀山の歴史の一端を担う貴重なものとして昭和53年(1978)に大田市指定史跡に指定されています。
豊栄神社:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-大田市教育委員会
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